インタビューから見えること
インタビューから見えること
インタビューは、inter view という互いに見合うという語源からきているそうですが、” 「二人の間に見えてくる風景」” とも解釈できるのではないか、と、西村佳哲さんに教えていただいてから、「きく」ことに対しての向き合い方が大きく変化した。ちょうど10年前の冬頃か。
ひとの話をきちんときける人ほど信頼できるし、好きになるし、僕もそうありたいと思えるようになった。
ここ最近は、久しぶりに対面でインタビューをする機会がつづいており、その度に胸がいっぱいになる。その方々が経験されてきたこと、その過程での思いや、そこから見えた景色を分けてもらえるような時間は、本当に贅沢なことでありがたい。
どんと太い軸をもたれたつくり手の方々は、生む苦しみや生んだ感動を伝える言葉や、表情までも、その人らしさが現れていて眩しい。
ある経営者の方は、ふと出てくる言葉が、もう生き物みたいで。元気に動いているような言葉を、さっとつかまえて連れて帰る感覚が、毎度楽しい。帰っても、まだまだ僕の中で動いている。
ライターさんやカメラマンさんと、数人で、一緒に話を分かつことができるのも嬉しいこと。
今年の後半も、目まぐるしく時間が過ぎそうだけれど、インタビューもつづく。限られた時間の中で、できるだけ丁寧に向き合っていけるように、気持ちを注ぎたい。カタチにしていくことも。
たまに目をとじいるときがあれば、話の中で見える風景を想像している時です。
(ねむくない、ねむくない。)
photo : SHIMASAKI TOMONARI